これから、定期的に樹脂素材を紹介していこうと思います。
第一回は「POM」。
POMとは、ポリアセタール、またはポリオキシメチレンの略で、
一般的に樹脂POMとして知られる熱可塑性樹脂の一種です。
【特徴】
・高い剛性、強度、硬度があり、優れた耐磨耗性を持つ。
・耐薬品性が高く、一部の溶剤や薬品に対しても耐性がある。
・熱に強く、高温下でも変形しないため、高温下で使用される部品に適している。
・表面の摩擦係数が低いため、滑りやすく、潤滑油を必要としない。
【用途】
・自動車部品、電気部品、医療機器、スポーツ用品などの機械部品に使用される。
・歯車、ベアリング、スライド部品、プーリーなどの部品に使用される。
・電気絶縁材、食品接触材、医療材料としても使用される。
【加工性】
・射出成形、押出成形、切削などによって加工できる。
・高い精度で加工できる。
POMはアメリカの化学メーカーであるデュポン社によって開発された樹脂であり、
最初は自動車部品や機械部品などの産業用途に使用されていました。
一時は、デンマークのおもちゃメーカーであるLEGO社が、
従来の木製のブロックに代わる新しい素材としてPOMを検討していたとも言われています。
また、楽器製造においても、木材や金属と比べて音が反響しにくいため、
管楽器や弦楽器の部品として使用されることがあります。
以上のように、POMは剛性や強度、耐磨耗性、耐薬品性、高温特性に優れており、
様々な用途に使われる優れた樹脂です。
